M2 MacBook Air が登場し、「待ってました!」とカスタマイズしていくと「高っ!」となって踏みとどまってしまう方も多いでしょう。
「もう少し頑張れば、M1 Pro MacBook Pro14インチが買えてしまう!」と思える価格に跳ね上がります。
ただ、M1 Pro MacBook Pro も価格改定されており、発売当時よりも「更に高価な Mac」になっています。
今回は、「M2 MacBook Air」と比較対象になる可能性のある「M1 Pro MacBook Pro14インチ」の性能面と価格を比べて、「この機種はこういった利用をメインにするMac」をはっきりさせたいと思います。
購入前の参考にしてください。
円安が憎いですね!
結論 動画編集等を職業としている方は「MacBook Pro」!それ以外は「Air」
M1 Pro MacBook Pro が発売された際にも掲載しましたが、MacBook Pro は「プロ仕様」であり、「MacBook を使用して利益を生むプロの為の Mac」です。
ましてここまで日本での販売価格が上がった今、プロのクリエーターの方やYouTubeなどに動画をアップして広告収入を得る人以外はスペック的にも「MacBook Air」で充分であり、浮いた資金を iPad や AirPods の購入資金の一部としたり、「GoPro」をはじめとするアクションカメラなどに充てた方が、Mac を活かすことに繋がるでしょう。
このことをスペックの違いから解説してみたいと思います。
スペック比較

Appleホームページより引用
ここで「M2 MacBook Air」(以降 M2 MBA)と比較対象になる可能性のある「M1 Pro MacBook Pro14インチ」(以降 M1Pro MBP)のスペックを纏めました。
現在、同時販売されている「M1 MacBook Air」(以降 M1 MBA)も合わせてみてみましょう。
M2 MacBook Air | M1 Pro MacBook Pro14インチ ![]() | M1 MacBook Air ![]() | |
発売年月日 | 2022年7月 | 2021年10月 | 2020年11月 |
カラー | ミッドナイト / スターライト / スペースグレイ / シルバー | スペースグレイ / シルバー | スペースグレイ / シルバー / ゴールド |
SoC | Apple M2 | Apple M1 Pro | Apple M1 |
4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した8コアCPU | 6つの高性能コアと2つの高効率コアを搭載した8コアCPU(上位モデルは10コアCPU) | 4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した8コアCPU | |
最大10コアGPU | 最大16コアのGPU | 8コアGPU | |
16コアNeural Engine | 16コアNeural Engine | 16コアNeural Engine | |
100GB/sのメモリ帯域幅 | 200GB/sのメモリ帯域幅 | ||
メディアエンジン | 8Kビデオ対応 ProResビデオエンジン搭載 | 8Kビデオ対応 ProResビデオエンジン搭載 | ー |
メモリ | 8GB / 16GB / 24GB | 16GB / 32GB | 8GB / 16GB |
ストレージ | 最大2TB | 最大8TB | 最大2TB |
ディスプレイ | 13.6インチ Liquid Retinaディスプレイ | 14.2インチ Liquid Retina XDRディスプレイ | 13.3インチ Retinaディスプレイ |
2,560 × 1,664ピクセル | 3,024 x 1,964ピクセル | 2,560 × 1,600ピクセル | |
500ニトの輝度 | XDR輝度:1,000ニトの持続輝度(フルスクリーン)、1,600ニトのピーク輝度(HDRコンテンツのみ) | 400ニトの輝度 | |
SDR輝度:最大500ニト | |||
高さ | 1.13cm | 1.55cm | 0.41〜1.61cm |
幅 | 30.41cm | 31.26cm | 30.41cm |
奥行き | 21.5cm | 22.12cm | 21.24cm |
重量 | 1.24kg | 1.6kg | 1.29kg |
カメラ | 1080p FaceTime HDカメラ | 1080p FaceTime HDカメラ | 720p FaceTime HDカメラ |
オーディオ | 4スピーカーサウンドシステム | フォースキャンセリングウーファーを備えた、原音に忠実な6スピーカーサウンドシステム | ステレオスピーカー |
空間オーディオに対応 | 空間オーディオに対応 | ||
指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ | 高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つ、スタジオ品質の3マイクアレイ | 指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ | |
ポート | Thunderbolt / USB 4ポート × 2 | Thunderbolt 4(USB-C)ポート x 3 | Thunderbolt / USB 4ポート × 2 |
HDMIポート | |||
MagSafe 3充電ポート | SDXCカードスロット | ||
MagSafe 3充電ポート | |||
電源とバッテリー | 最大15時間のワイヤレスインターネット | 最大11時間のワイヤレスインターネット | 最大15時間のワイヤレスインターネット |
最大18時間のApple TVアプリのムービー再生 | 最大17時間のApple TVアプリのムービー再生 | 最大18時間のApple TVアプリのムービー再生 | |
52.6Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 | 70Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 | 49.9Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 | |
30W USB-C電源アダプタ | 67W USB-C電源アダプタ(8コアCPU搭載M1 Proに付属) | 30W USB-C電源アダプタ | |
価格 | 164,800円(税込)から | 274,800円(税込)から | 134,800円(税込)から |
344,800円(税込 上位モデル)から |
この表を基にスペックを比べていきましょう。
SoC

Appleホームページより引用
M2 MBA は新型「M2チップ」を搭載していますが、M1との大きな違いはGPUが最大10コアに増やせる点です。
GPUとは「Graphics Processing Unit」の略で、画像処理装置を意味します。その名の通り、画像・映像を描写するために必要な計算を処理するものです。
最近では、画像や映像を利用・編集する機会も増えており、より速く、よりきれいに画像・映像を映したり編集するには、GPU性能は侮れません。
また画像を処理するということは膨大なデータを瞬時に計算する必要があるので、コア数をアップすることで処理数を増やしたり処理速度を早くすることが可能です。
M1 の8コアGPUより2コア増やすことにより、M2 MBA は M1 MBA よりも映像処理性能が向上しています。
GPUは、内部でコア同士が連携して処理を行える為、CPUに比べて圧倒的な処理スピードを誇ります。
処理スピードはCPUの10倍ともいわれていますが、単純計算に特化していて幅広い処理には向いていません。
映像処理をする機会が少ない方にとっては、このGPUコア数増はそれ程重要なスペックアップとは言えないですので、M1 MBA で充分満足できる仕様です。
動画編集が少ない方にとって、無駄なパーツへの費用負担を減らせる項目でもあります。
一方、M1Pro MBP はGPUを最大16コアまで増やすことが可能ですので、「映像処理のプロ仕様」と言い切っても良いでしょう(実際はこの上に M1 Max というSoCを選択することも可能です)。
CPUに関しては、コア数は8コアと同じでも M2 MBA と M1Pro MBP では大きな違いがあります。
CPUとは「Central Processing Unit」の略で、中央演算処理装置を意味します。
人間でいう頭脳として機能しており、逐次(ちくじ)計算からデータベースの実行まで、幅広い処理を行います。
そのCPUですが、M2 MBA は8コアのうち4コアが高性能コアで、M1Pro MBP は8コアのうち6コアが高性能コアと、性能差があります。
CPU は普通の使用ではその差を体感できることは少ないので、「高性能コアが多い」とかに拘る必要はないでしょう。
というより、M1からはじまったAppleシリコンの性能が良いので、高性能コアが4コアでも充分な性能と言った方が正しいかもしれません。
また、多くの方が性能比較としてベンチマークスコアなどを公開していますが、そのスコア差はほとんど体感できないレベルです。
繰り返しますが、頻繁に動画編集など負荷をかける作業が少ない「通常の利用」なら M1 MBA で充分な性能です。
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メモリー

Appleホームページより引用
一般的に言われているメモリーとは、RAM(Random Access Memory)のことをさします。
このメモリー(RAM)容量はPCの動作速度に大きく影響してきます。
メモリーはよく「机」や「作業台」に例えられます。
何か作業をする際、例えば机の上に書類や筆記用具を置いたり、専門書を開いたりします。
その机が広ければ広いほど作業は捗りますが、その状態に似ています。
M2 MBA ではメモリーが標準で 8GBを搭載しており、16GB / 24GB とカスタマイズすることが可能です。
M1 MBA も標準で 8GB、カスタマイズで 16GB を選択することが可能でしたが、M2 MBA ではGPUコア数を10コア選択できたりすることからメモリーも余裕を持たせた選択が出来るようになりました。
一方 M1Pro MBP は、カスタマイズで 32GB のメモリーを選択可能ですが、32GBを必要とするタスクは同時に冷却性能も向上させる必要が出てくる場合が多く、ファン搭載の M1Pro MBP 仕様だと言えるでしょう。
そういう意味では、メモリー24GBは冷却ファン非搭載の上限と言えるのかもしれません。
一般的な利用では24GBを必要とするタスクはほとんどなく、余裕を持って16GBあれば充分です。
M1 MBA のメモリー8GBでもフルHD(1,080P)の動画編集ならば全く問題なく可能ですし、4K30fps の動画編集も可能です。
ただ、せっかく購入する MacBook を長く利用するならば、メモリーを16GBにカスタマイズしておくと安心出来るでしょう。
32GBまで選択可能な M1Pro MBP は一般的な利用では必要ないと言えます。
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ディスプレイ

Appleホームページより引用
ディスプレイは M1Pro MBP と M2 MBA では大きな差が出てくると感じます。
まだ M2 MBA の実機を観ていないので詳しくはわかりませんが、以前に M1 MBA と M1Pro MBP を並べて比較した際、「14.2インチ Liquid Retina XDRディスプレイ」搭載の M1Pro MBP のディスプレイは明らかに違いました。
ただ、並べて比べてみた時に違いがわかる感じでしたので、私が毎日利用している M1 MBA もRetinaディスプレイは相当綺麗ですので、これも「一般的な利用」では M2 MBA で充分満足出来ると思います。
このディスプレイの差(輝度の違い)が次のバッテリー性能にも影響してきます。
バッテリー性能
ワイヤレスインターネット利用時の比較で、M2 MBA は「最大15時間」、M1Pro MBP は「最大11時間」とバッテリー使用時の持続可能時間に4時間の差があります。
6つの高性能コアCPU搭載・最大16コアのGPU・XDR輝度1,000ニトなどスペック的に優れている M1Pro MBP の方がやはり電力消費は多くなってしまいます。
4つの高性能コアで満足できる性能よりもベースグレードで110,000円高い「6つの高性能コア」の M1Pro MacBook Pro を選択するか、4つの高性能コアで満足できてバッテリー持続時間が長く110,000円安い M2 MacBook Air を選択するか。
一般的な利用ならば、M2 MacBook Air を選択するでしょう。
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その他比較

Appleホームページより引用
これまで比べてきたメイン部分以外にもオーディオやポート類などありますが、M2 MBA の4スピーカーサウンドシステムはおそらく M1 MBA よりも優れていると思われます。
ポートに関しても、M1 MBA では廃止されていた MagSafe が復活し、ボディーカラーと同色のケーブルが付属してくるなど「粋な」仕様は見逃せません。
またThunderbolt / USB4ポート2つしかない M2 MBA は、USB-Cハブを利用することや、外部ディスプレイを利用する方はハブ機能のあるディスプレイを利用することで解消されます。
ただ、どちらかというとサブ的なパーツであり、CPUやGPU、メモリなどメインとなるパーツが重要ですので比較対象のメインとしました。
個人的には、1080P FaceTime HDカメラを搭載したことは M2 MBA の大きなメリットであると感じます。
カスタマイズを含めた価格
M2 MBA と M1Pro MBP、そして M1 MBA も含めた価格をカスタマイズした一例も含めてみてみましょう。
M2 MacBook Air | M1 Pro MacBook Pro14 | M1 MacBook Air | |
ベースグレード(最安値) | ¥164,800 | ¥274,800 | ¥134,800 |
メモリ16GB / 512GB SSD | ¥220,800 | ¥274,800 | ¥190,800 |
メモリ16GB / 1TB SSD | ¥248,800 | ¥302,800 | ¥218,800 |
ベースグレードでは164,800円の M2 MBA も、メモリー16GB / 512GB SSD へとカスタマイズすると220,800円!
M1 MBA にあった「お得感」は M2 MBA ではかなり薄れてしまいました。
そして同じ条件での M1Pro MBP では274,800円と、54,000円の違いが。
まとめ
M2 MacBook Air と微妙に比較対象になりそうな M1Pro MacBook Pro についてまとめると、
・それ以外の方は、M2 MacBook Air で充分満足出来る性能!
・M2 MBA よりも M1 MacBook Air の方が高コスパで満足感は上がる!
これまでの内容をまとめると、お勧め順は
M1 MacBook Air
M2 MacBook Air
M1 Pro MacBook Pro
の順になります。
ただ、
「M2 MacBook Air のミッドナイトが気に入った!」
「新しいフラットなデザインが素敵!」
といった理由ならば、迷わず M2 MacBook Air をおすすめします。
価格は上がりますが、同時に気に入った機種ならば利用頻度も満足度も上がり、その結果 Mac のスキルも上がり「言うことなし」という好循環を生んでくれます。
MacBook Air は「入門機」的な位置付けと考えられがちですが、M1チップが登場してからはその位置付けは「入門機」ではなくなり、「省電力な高性能マシン」へと変化しました。
M2 MacBook Air は7月発売です。
待ち遠しいですね!
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